過去の実験
このページでは、過去に行った実験の
レジュメをアップしていきます。
1.目的
性質の異なる2種類の触媒(濃硫酸とピリジン)を用いてサリチル酸のアセ
チル化を行い、アセチルサリチル酸を合成する。
2.原理
この反応は、サリチル酸のフェノール製酸素が無水酢酸のカルボニル炭素
へ求核攻撃することによって起こる。
3.試薬
サリチル酸C6H4(OH)COOH 1.500g(1.09×102mol)、
無水酢酸(CH3CO)2O3.00cm3(3.18×102mol)、 18mol/l硫酸H2SO4 3滴
ピリジンC5H5N 3滴、ジエチルエーテル、石油エーテル、イオン交換水
4.装置
電子天秤、水流アスピレーター
5.器具
試験管 3本、駒込ピペット、薬さじ、スパーテル、桐山漏斗 2本、薬胞
紙 50mlビーカーまたはコニカルビーカー 4個
6.実験経過
1.それぞれの試験管にサリチル酸0.500gを測りとった。駒込ピペットを用
いて、ひとつに無水酢酸を1.00ml加え様子を観察したところ、サリ
チル酸はあまり反応せず沈殿となって残った。
2.他の2つの試験管にも等量の無水酢酸を加え、さらに、駒込ピペットを用
いて一方には濃硫酸を、もう一方にはピリジンをそれぞれ3滴ずつ加えて
観察すると、どちらの試験管でもサリチル酸はほぼ完全に溶け、わずかに
反応熱があった。
3.50mlビーカーに熱湯を用意し、硫酸を加えた試験管とピリジンを加えた試
験管をその中につけて固体を溶かし、反応を完結させた。ついで50mlビー
カーに2つの溶液を注ぎ込み、水を加えて約25mlにした。
4.混合した溶液を振り混ぜると、過剰の加水分解が促進され、ビーカーの底
に水より重いオイル状の物質が生成した。その後水で冷却すると、大きな
結晶を中心に生成し、その周りに微細な結晶が大量に生成した。
5.水流アスピレーターを使用して2回ろ過し、アセチルサリチル酸の粗結晶
を回収した。粗結晶は白色で光沢があった。
6.粗結晶を50mlビーカーに入れ、ジエチルエーテルと石油エーテルを20mlず
つ加えた。ジエチルエーテルを加えた時点で結晶は完全に溶け、石油エー
テルを加えると白濁した。しばらく放置すると、ビーカー底に無色透明の
層が分離した。
7.ビーカーを氷浴して冷却した。次第に白濁が多くなり、オイル状結晶が生
成した。ビーカー壁面をスパーテルでこすると、結晶が生成した。(注:
ビーカー壁面をスパーテルでこすると微細なガラス片が溶液中に落ち、そ
れが飽和溶液を刺激して結晶化反応を促進する。)
8.再結晶したアセチルサリチル酸を、水流アスピレーターを用いたろ紙に
よって回収し、その後風乾して結晶を回収した。
7.生成物に関する情報
生成物:アセチルサリチル酸(固体)・分子量180g/mol 白色結晶
収量 0.746g 収率 57.19%
収率計算式 0.746/180(mol)÷1.0/138(mol)×100=57.19
(注:サリチル酸 分子量138g/mol)